Illustrator CS4 スーパーリファレンス for Macintosh | ||
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今回のバージョンアップにより、IllustratorはCS4、通算バージョンでは14となります。数多いAdobe Creative Suite4製品の中でも、もっとも歴史のあるIllustratorは、ドローツールとして商用印刷用のイラストや装丁デザインなどの紙媒体向けのイラスト制作から、Webや映像用の素材制作など画面表示向けの素材制作まで、プロフェッショナルを含めて多くのユーザーが使用しています。 通算バージョン14となるIllustrator CS4には、さすがに目を引くような大きな機能追加があるわけではありません。しかし、熟成を重ねたIllustrator CS4は、ユーザーの使い勝手を考慮した機能アップが各所に施されています。 大きな追加機能としては、複数のアートボードのサポートです。これまでもプリントダイアログボックスの設定により、大きなアートボード内に擬似的に複数のページレイアウトすることもできましたが、Illustrator CS4では、明示的にアートボードを複数設定できます。ページハンドリングが格段にわかりやすくそして使いやすくなりました。ただし、ページ番号の自動挿入機能などはついていないため、InDesignのような多ページもののページレイアウトには不向きですが、数ページ程度の冊子であれば十分対応できるでしょう。Illustratorのアートボードは、ページと若干概念が異なるため、個別にサイズを定義できます。1つのファイルの中で複数のアートワークを作成したり、同一プロジェクトで使用する素材を1ファイルにまとめておくなどの利用方法も可能です。 機能進化の目玉としては、グラデーションの不透明度のサポートがあります。これまでは、Photoshopを併用したり、不透明マスクを使わなくてはできなかった表現も、使い慣れたグラデーションの設定で簡単に実現できます。さらに、グラデーションツールの機能も格段に進化し、オブジェクト上でグラデーションの結果をプレビューしながらサイズ・角度・色・不透明度を設定できるようになりました。より効率的に、思ったイメージを表現できるはずです。 タブレットユーザーに朗報なのは、塗りブラシツールの追加でしょう。従来のブラシツールは、描画した軌跡がパスになりましたが、塗りブラシツールは描画した状態がアウトライン化されたオブジェクトになります。オブジェクト上から描画しての塗り足しも自然な操作で行えます。消しゴムツールを併用すれば、まさにペイントソフトのブラシの間隔でIllustratorのアートワークを作成できます。タブレットペンのテールスイッチに消しゴムツールを割り当てれば、持ち替えるだけで描くことと消すことが簡単に行えるのは、手書きユーザーにとっては大きなメリットのはずです。 そのほかにも、スマートガイドが格段に使いやすくなりました。アピアランスパネルも、機能性が向上し、わかりにくかったアピアランスもすっきりした形で管理できるでしょう。また、CMYK版の各版ごとに表示する分版パネル機能は、商用印刷を目的とするユーザーには便利な機能です。 本書は、IllustratorCS4の新機能も含めて、Illustratorのほとんどの機能を、図を使ってわかりやすく、そして詳細に説明しています。最初から最後まで読破する必要はありません。Illustratorを使ってみて、わからないことがあったら本書を開いてください。Illustratorを使いこなすのに、ほんの少しでもお手伝いができたら幸いです。 (「まえがき」より) |
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著者:井村克也 B5変形・416ページ・オールカラー 本体価格:2,680円+税 ISBN978-4-88166-679-1 |
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Part1 知っておきたい描画前の基礎知識
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Chapter1.1 Illustratorの特徴 Chapter1.2 Illustratorのインターフェイス Chapter1.3 画面表示モード Chapter1.4 ショートカットキーを上手に使おう Chapter1.5 アートワーク画面と書類設定 Part2 オブジェクトを描画する Chapter2.1 パスのしくみを覚えよう Chapter2.2 線を描く Chapter2.3 さまざまな図形を描く Chapter2.4 フリーハンドで描く(鉛筆ツールとブラシツール) Chapter2.5 塗りブラシツールと消しゴムツール Chapter2.6 ライブトレース Chapter2.7 グラフを描く Part3 オブジェクトの選択 Chapter3.1 オブジェクトを選択する Chapter3.2 「レイヤー」パネルを使った選択 Chapter3.3 「選択」メニューを使いこなす Chapter3.4 オブジェクトの選択に便利なコマンド Part4 オブジェクトの編集 Chapter4.1 オブジェクトの移動と削除 Chapter4.2 オブジェクトのコピー Chapter4.3 パスの調整 Chapter4.4 オブジェクトの整列 Chapter4.5 レイヤーの操作 Chapter4.6 「重ね順」コマンドで前後関係を変更する Part5 色を設定する Chapter5.1 オブジェクトの色を指定する Chapter5.2 「スウォッチ」パネル Chapter5.3 「カラーガイド」パネル Chapter5.4 線の設定 Chapter5.5 グラデーションの作成 Chapter5.6 パターンの作成 Chapter5.7 透明効果と描画モード Chapter5.8 アピアランス Part6 ペイント設定/アピアランス/グラフィックスタイル Chapter6.1 ライブペイント Chapter6.2 グラデーションメッシュ Chapter6.3 ブラシの利用と作成 Chapter6.4 複数オブジェクトの色の調整 Chapter6.5 「グラフィックスタイル」パネルを使う Chapter6.6 シンボルの活用 Chapter6.7 不透明マスク Part7 オブジェクトの変形 Chapter7.1 バウンディングボックスによる変形 Chapter7.2 オブジェクトの変形(拡大・縮小、回転、反転、シアー) Chapter7.3 ブレンド Chapter7.4 リシェイプツールによる変形 Chapter7.5 オブジェクトをアウトライン化する Chapter7.6 パスのオフセット Chapter7.7 オブジェクトを分割する Chapter7.8 パスの中に透明な穴をあける(複合パス) Chapter7.9 クリッピングマスクを作成する Chapter7.10 リキッドツール Chapter7.11 エンベロープ(ワープ効果) Part8 文字の入力と組み版 Chapter8.1 文字の入力とテキストオブジェクトの操作 Chapter8.2 文字の編集 Chapter8.3 OpenType・異体字 Chapter8.4 段落設定と日本語組み版 Chapter8.5 テキスト処理の便利な機能 Chapter8.6 文字スタイル・段落スタイル Chapter8.7 旧バージョンとの互換性 Part9 効果 Chapter9.1 効果とは Chapter9.2 「3D」効果 Chapter9.3 「スタイライズ」効果 Chapter9.4 「パスの変形」効果 Chapter9.5 「パスファインダ」パネル/「パスファインダ」効果 Chapter9.6 「形状に変換」効果 Chapter9.7 その他の効果 Chapter9.8 Photoshop効果 Part10 保存/データ書き出し/アクション/プリント Chapter10.1 アートワークを用途別に保存する Chapter10.2 他のデータ形式で書き出す Chapter10.3 Flashとの連携 Chapter10.4 Web用に保存する Chapter10.5 スライスの利用 Chapter10.6 アクションとバッチで操作を自動化 Chapter10.7 ビットマップ画像と「リンク」パネル Chapter10.8 プリントと分版 Part11 環境設定 Chapter11.1 環境設定で使いやすく Chapter11.2 キーボードショートカットの編集 Chapter11.3 カラー設定について Chapter11.4 「定規」「ガイド」「グリッド」「情報」パネル ≪ 目次を隠す |