Adobe Flex Builder 3 徹底マスター | ||
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Flex Builder 3は、FlashムービーによるWeb上のアプリケーションと、AIRと呼ばれるデスクトップアプリケーションを開発するプログラミング環境です。どちらも、Windows、Mactiontosh、Linuxといったプラットフォームの違いを超えて作成できます。 Webアプリケーションとデスクトップアプリケーションができるということは、ほとんどすべてのアプリケーションが開発できると言ってもいいでしょう。しかも、従来の他のプログラミング環境に比べると格段に簡単に扱うことができ、技術者の育成も容易です。現在各種のプログラミング環境で実現されていることの大半は、Flex Builder 3に移行する時代になってきました。また、そうなる時代の要請もあります。 現代のITの状況を言い表す言葉に「クラウドコンピューティング」があります。クラウドコンピューティングとは、クラウドが「雲」を意味することから、直訳的に解説すれば、「雲のなかで行われる情報処理」となるでしょう。雲とはインターネットを意味します。 従来、パソコンで実施される各種の処理やサービスは、パソコンにインストールしたアプリケーションをベースにしていました。文書処理がしたいならワープロのアプリケーションを、また会計処理がしたいなら表計算アプリケーションをパッケージ商品として購入しパソコンにインストールして利用していたわけです。 しかし、クラウドコンピューティングの時代ではもはやパッケージ商品のアプリケーションは必要ありません。ブラウザがあってインターネットに接続できるなら、ワープロソフトも表計算ソフトもすべてのサービスがインターネットという雲の向こうにあるサーバーに用意されています。そこで各種の処理が実施できます。 そしてサーバーに集合して処理が行えるということは、それまで各人がそれぞれのデスクトップで行ってきた作業がそのまま共同作業に変わるということでもあります。この共同作業の側面でのブラウザの利用を「Web2.0」と言います。 クラウドコンピューティングとWeb2.0のIT時代は、すべてのサービスをブラウザでインターネットという雲に接続するという形態で始まりました。Googleが実施する各種のサービスがこれに相当します。そして、さらにクラウドコンピューティングとWeb2.0に第二弾目の革命が起きました。リッチインターフェース・アプリケーションの登場です。 革命以前は、ブラウザで各種サービスが利用できるといっても、所詮は書籍のような静止したWebページに手を加えた程度で、ダイナミックな動きを伴った、使いやすいインタフェースは実現できませんでした。デスクトップ・アプリケーションには到底及びません。 ところが、リッチインターフェース・アプリケーションの革命的な登場で、デスクトップ・アプリケーションと同等以上のことがクラウドコンピューティングで実現できるようになったのです。すでにGoogleも、この方向に技術を組み替えてます。 Flex Builder 3の大きな意味は、リッチインターフェース・アプリケーション作成にもっとも優れた、しかもわかりやすい開発環境を提供したことにあります。Javaや.NETといった各種の技術によって模索されていた技術の方向性が、AdobeのFlex Builder 3によって大きく推進されました。 特に、Flex Builder 3では、従来のFlex Builder 2と比べても、より本格的な機能が統合でき、実質Javaで可能な処理の大半が行える上に、Javaよりも簡易に美しいアプリケーションが作成可能になりました。 本書は、このWeb2.0時代の新しい未来に進む人にとって優しい道標になるように、Flex Builder 3の技術の基礎をできるだけ広範囲に説明しました。 (「はじめに」より) |
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著者:佐藤信正 B5変形・464ページ・2色 本体価格:3,200円+税 ISBN978-4-88166-648-7 |
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はじめに
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本書の使い方 CHAPTER 01 Flex Builder 3を使ってみよう SECTION 01-01 Flex Builder 3とは? SECTION 01-02 Flex Builder 3の位置付け SECTION 01-03 Flex Builder 3を使った開発手順 SECTION 01-04 Flex Builder 3のタイプ SECTION 01-05 Flex Builder 3のインストール SECTION 01-06 Flex Builder 3の起動と終了、ライセンスの指定 SECTION 01-07 Flex Builder 3のインターフェイス CHAPTER 02 初めてのアプリケーション開発 SECTION 02-01 Hello World!を表示させる SECTION 02-02 表示を変更してみる SECTION 02-03 ソースモードとデザインモード SECTION 02-04 文字デザインを分離する SECTION 02-05 ボタンで動作させる SECTION 02-06 よりプログラムらしくする SECTION 02-07 AIRアプリケーションを作る CHAPTER 03 ActionScript 3.0で計算させる SECTION 03-01 仕様を決める SECTION 03-02 パーツの配置をデザインする SECTION 03-03 ソースにActionScript 3.0で書き込む CHAPTER 04 関数を定義する SECTION 04-01 関数には動作と数の2つの性質がある SECTION 04-02 値を持つ関数をActionScript 3.0で定義する SECTION 04-03 Flex Builder 3で関数を書く SECTION 04-04 関数には返却値の型指定が必要になる SECTION 04-05 引数にも型が必要になる SECTION 04-06 ローカル変数は関数のなかでだけ有効 SECTION 04-07 ローカル変数の値をデバッガで確かめる SECTION 04-08 デバッグの機能のまとめ SECTION 04-09 関数とメソッド CHAPTER 05 プロパティと属性を操作する SECTION 05-01 コンポーネントと要素 SECTION 05-02 コンポーネントのクラスとインスタンス SECTION 05-03 コンポーネントとプロパティ SECTION 05-04 要素と属性 SECTION 05-05 オブジェクトとプロパティ SECTION 05-06 プログラミングの大半は属性の入れ替え CHAPTER 06 制御を指定する SECTION 06-01 制御を指定する SECTION 06-02 分岐構造(条件判断) SECTION 06-03 分岐構造(場合分け) SECTION 06-04 反復構造(while ループ) SECTION 06-05 反復構造(do-while ループ) SECTION 06-06 反復構造(for ループ) SECTION 06-07 列挙処理 SECTION 06-08 エラー処理 CHAPTER 07 トップレベル・クラスを理解する SECTION 07-01 トップレベル・クラス SECTION 07-02 クラスとオブジェクト SECTION 07-03 オブジェクトの意味 SECTION 07-04 オブジェクトの作成 CHAPTER 08 強化されたXML SECTION 08-01 XMLとは SECTION 08-02 XMLリテラル SECTION 08-03 XMLからデータを読み出す SECTION 08-04 XMLは条件で値が指定できる SECTION 08-05 XML型とXMLList型の違い SECTION 08-06 XMLListの要素を編集する SECTION 08-07 ノードを編集する CHAPTER 09 パッケージを理解する SECTION 09-01 アラートを表示させる SECTION 09-02 パッケージ情報をヘルプから見つける SECTION 09-03 コンポーネントはパッケージを簡略化したもの SECTION 09-04 コンテンツアシストを活用する SECTION 09-05 欲しい機能を探す CHAPTER 10 コンポーネントを活用する SECTION 10-01 一般的なプロパティ SECTION 10-02 コントロール SECTION 10-03 レイアウト SECTION 10-04 ナビゲータ SECTION 10-05 Adobe AIR SECTION 10-06 チャート CHAPTER 11 カスタムコンポーネントを作成する SECTION 11-01 既存コンポーネントを利用する SECTION 11-02 カスタムコンポーネントに属性を設定する SECTION 11-03 カスタムコンポーネントから値を受け取る SECTION 11-04 クラスプログラミングの基本 SECTION 11-05 インスタンスの考え方 SECTION 11-06 クラスの継承 SECTION 11-07 カスタムコンポーネントを継承で作成する CHAPTER 12 スタイルとエフェクトを使う SECTION 12-01 スタイルの指定 SECTION 12-02 エフェクトの仕組み SECTION 12-03 エフェクトの指定 SECTION 12-04 エフェクト・コンポーネント SECTION 12-05 エフェクトとクラス CHAPTER 13 AIRの特徴を活かす SECTION 13-01 透明ウィンドウ SECTION 13-02 ファイルの書き込み SECTION 13-03 SQLiteの活用 SECTION 13-04 HTTP通信の実行 INDEX ≪ 目次を隠す |